フリントは風に舞う。

アニメ語りメイン。出崎、富野好き。実写は目下勉強中。

『メメント』を観た

 

メメント [Blu-ray]

メメント [Blu-ray]

 

 

公開:2000年9月(米国)
監督・原案:クリストファー・ノーラン
脚本:ジョナサン・ノーラン
原案:クリストファー・ノーラン
音楽:デヴィッド・ジュリアン
出演者:ガイ・ピアース
    ジョー・パントリアーノ
    キャリー=アン・モス

 

クリストファー・ノーランの『メメント』を観た。アニメ好きやアニメ制作者にも人気があって、前々からチェックしないとなと思っていた。

 

メチャクチャ面白かった。時系列をシャッフルさせることはよくあるけど、頭からケツまで徹底的に逆から再生していくのは初めて観た。衝撃的である。
観ていて混乱してしまうんだけど、その「混乱」が妙に心地いい。
時間が遡って進行していくから、物語の「目的」がよく分からないままドラマが進行していく。「最終的にこの主人公はアイツを殺すんでしょ? 知ってるじゃん」と。だが、訳も分からないまま進んでいくんだけど、ひとつひとつ「謎」が浮かび上がってくるように構成されているから、「次は何が分かるの?」という感じで映画に没頭できる。「サスペンスもの」として面白い。
ラストシーンでは「前提」そのものが覆される。「どんでん返し感」があってよかった。

「記憶がなくなることの恐怖」「人間の記憶なんて不確かなものだ」といったテーマは、SFではけっこう多く、普遍的なものである。『攻殻機動隊』のアノ清掃員のエピソードが有名だ。
こういう思想的なものがちゃんと描かれていて、なおかつ娯楽的な面白さもちゃんとあった。良くできた映画だなと思う。

 

ちなみに吹き替え版で観た。主人公の声優は小山力也で、割りとハマり役だったと思う。小山力也は、こういう「悩む系」の役が多い印象。

 

その他雑感
・過去に遡っていくシナリオ――その前フリとなるのがオープニングシーンだ。写真の色が徐々に薄くなっていって、「ん?」おかしいなと感づく。で、銃殺を見て、逆に再生しているんだなと確信を持つ。非常にインパクトがあって、素晴らしい映画のツカミだ。エンディングとも対応している。
・「健忘症」というモチーフは、『一週間フレンズ。』に通じる。というか色んな作品で使われてる。