フリントは風に舞う。

アニメ語りメイン。出崎、富野好き。実写は目下勉強中。

『風と共に去りぬ』を観た

 

風と共に去りぬ [DVD]

風と共に去りぬ [DVD]

 

 

公開:1939年
監督:ヴィクター・フレミング
脚本:シドニー・ハワード
音楽:マックス・スタイナー
出演者:ヴィヴィアン・リー
    クラーク・ゲーブル

古典映画の名作『風と共に去りぬ』を視聴した。TSUTAYA DISCASで借りてきたはいいけど、3時間半超えということを知って、なかなか観ることが出来ずにいた。仕事に一区切りできたこともあって、ようやく視聴。いやー、名作でした。

率直な感想としては、ロボットが登場しない実写版『∀ガンダム』といった感じ。そもそも『∀ガンダム』の元ネタは本作なので、そう感じるのもおかしくない。とくにオープニングの広大な草原のイメージは、『∀ガンダム』そのもの。
∀ガンダム』で転用されたと思われるネタもいくつか発見した。列挙していくと、戦禍によって母親が死亡・父の精神が崩壊するところ、野戦病院で患者の脚を切断するところ、ほかにもあった気がするけど忘れてしまった……。

本作は、富野由悠季作品に通じる面白さがある。人間ドラマが面白かったり、省略によってテンポ見せるところとか、「ユーモア」があるところとか。妙に白富野作品っぽい。

「『∀ガンダム』 『風と共に去りぬ』」で検索したら、以下のインタビューを発見した。

──試写で拝見した直後に、内輪で映画の『風と共に去りぬ』みたいに話がバンバン進むねって話をしたんですよ。あの映画は、最初に結婚しますって言ったあと、最初の旦那が死にましたって2分ぐらいでどんどん話が進んで、テレビ放映だと予告編かと思うくらいなんですが、そういうタイプの映画ですよね。
富野 それほど正確には覚えていないんですが、3年ぐらい前、ちょうど『ターンA』の始まる頃に『風と共に去りぬ』はテレビで全部観まして、編集作業をする上ではかなり意識をしましたね。だけど、それでクラシックにのめり込んだら怖いな、とも思いましたね。手法というものは、うかつに真似をするとそれが臭うときがあるので、本当に気をつけました。

やっぱり『∀ガンダム』は、『風と共に去りぬ』を意識してたのか。

上映時間は「222分」で、かなりの長尺である。過去観た映画のなかで一番長かったのは『七人の侍』で「207分」だけど、それを上回る長さだ。でも、長かったけど、テンポがよくさくさく進み、内容も面白かったので、苦痛ではなかった。やっぱり昔の映画は「省略」が上手くて良い。

どのキャラクターも魅力的だったんだけど、とくにバトラーがかっこ良い。渋いし、頭も切れるし、「子煩悩」というのも良い。だが、何より惹かれるのは、「自分を貫いている」ところ。吹き替えが大塚明夫が演じていたこともあって、カッコよさが倍増している。こんな男になりたいなー。
溺愛していた娘が亡くなったときは、本当に可哀想だった。

本作は前半、後半で、二部構成の映画だった。個人的には、一部よりも二部のほうが好きかな。二部のほうが人間ドラマが膨らんでいる感じで。

感動したシーンは、一部冒頭のスカーレットの父が故郷・大地の大切さを語るところ、一部の最後、二部の最後、の3つ。とくにそれぞれの部のエンディングシーンは、「頑張って生きよう」と思わせてくれる。それもあって、本作は『ショーシャンクの空に』みたいな作品だなと感じた。

過去観た古典映画のなかでは、いちばん面白かった。
でも、長尺だから、今後観返すのは難しいなぁ……。