座右の銘としたい“宗方仁の至言” 『アニメ新世紀王道秘伝書』
ひどく胸を打たれた言葉があった。
氷川竜介著『アニメ世紀末熱論』における『エースをねらえ!』に言及した章で登場した。
以下、それを引用する。「宗方仁」とは、ご存知のとおり『エースをねらえ!』に登場する熱血コーチのことである。
宗方仁は、こう言った。
「テニスルール第三二条。試合中、プレイヤーはいかなる助言も指導も受けてはならない。これがテニスプレイの原則だ。ひとりで打ち、走り、そして考えろ」
そうだ。作品に接しているとき、他人の意見に左右されることは、あってはならない。たとえそれが作者自身の言葉であったとしても。人生というコートに立っているのは、ほかの誰でもない、自分だから。
宗方仁は、さらにこう言う。
「時間を無駄にしてはいけない」
そうだ。自分の中に本当の自分を見つけ、主体的に関わって行動を起こすべきなのだ。無駄にしないというのは、そういうことだ。
宗方仁の最後の言葉は、こうだ。
「岡、エースをねらえ!」
エースはねらって取るものだ。「取れてしまった」エースなどは存在しない。「エースになるかも」などという甘い期待のこもったアクションでは、エースになどなりようがない。
ねらえ! 結果を恐れるな! この一撃に命を乗せろ! そのときこそ、世界は祝福をもって君を迎えるだろう。
それが生きるということ、そのものだ。『エースをねらえ!』は、こんな青春の輝きに満ちた物語である。
宗方仁の元のセリフも熱いが、氷川の言葉も引けをとらないほど熱い。
作品に対する接し方はもちろん、「生きる」ことに対する価値観も変わった。
これらの言葉を座右の銘としたい。