フリントは風に舞う。

アニメ語りメイン。出崎、富野好き。実写は目下勉強中。

『ホドロフスキーのDUNE』を観た

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ドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』を渋谷・アップリンクで観てきた。観ようと思ったのは、氷川竜介氏や宇多丸が絶賛していたから。「クリエイションに関わるものなら、これは見ておいたほうが良い」ということだったので、これは見ないとアカンなと。前評判どおり良い映画でした。

ホドロフスキー同様、人を触発させるような映画だった。ドキュメンタリーなのでカタルシスを得られるような映画ではないが、観たあとに確実に価値観は変わる。

ホドロフスキーの映画づくりにかける情熱、魂に感動した。「映画はビジネスの前に芸術である」「映画で世界を変えたい」など、どの言葉も熱を帯びていて、彼の映画にかける熱い想いがひしひしと伝わってくる。
そんなホドロフスキーの姿を見て、先日の実写ドラマ『アオイホノオ』での庵野秀明のセリフが頭をよぎった。『ウルトラマン』のパロディ映画を観て笑う同級生に向かって、庵野は「笑わせようと思ってつくったんじゃない、感動させようと思ってつくったんだ!」と檄を飛ばす。ホドロフスキー庵野に共通するのは、作品にかける熱い情熱、魂だ。そういうものがフィルムから伝わってくる映画こそ感動できる。私はそういう映画が好きだ。

「面白い映画は、それ以上につくった人が面白い」とよく言われる。この言葉は、まさしくホドロフスキーのためにあるのではないだろうか。彼には人を強烈に惹き付ける魅了がある。
そして驚くべきは、彼のイマジネーションの壮大さだ。それを映画にまとめるには、彼が言うとおり20時間必要なのかもしれない。現実的にそんな映画はつくることは難しいが、そういう心意気は大事である。

ホドロフスキーは、他の人が『DUNE』をつくってもいいと発言していた。ぜひ日本のどっかのアニメ会社で、アニメ化してほしい。もしやるとしたら、プロダクション I.Gあたりだろうか。押井守あたりにやってもらいたい。

 

ホドロフスキーの金言、名言が数多く登場した。とくに印象的に残った言葉を、公式HPより引用する。

「人生で何か近づいてきたら”イエス”と受け入れる。離れていても”イエス”だ。『DUNE』の中止も”イエス”だ。失敗が何だ? だからどうした?『DUNE』はこの世界では夢だ。でも夢は世界を変える。」

「最高に芸術的な映画を作りたいなら、作ればいい。失敗しても構わない。挑戦するんだ。」

これらの言葉は、非常に勇気づけられた。とくに自分は、失敗を怖れがちでチャンスを逃してきたことも多々あった。だが、これからはホドロフスキーのように、失敗をおそれず、挑戦し、高い志を持って生きたい。