フリントは風に舞う。

アニメ語りメイン。出崎、富野好き。実写は目下勉強中。

『宇宙ショーへようこそ!』を観た

 

宇宙ショーへようこそ 【通常版】 [Blu-ray]

宇宙ショーへようこそ 【通常版】 [Blu-ray]

 

 
公開:2010年6月
監督:舛成孝二
脚本:倉田英之
演出 - 畑博之
キャラクターデザイン・作画監督 - 石浜真史
音楽:池頼広
制作:A-1 Pictures

 

舛成孝二監督の『宇宙ショーへようこそ!』を観た。「面白かった」というよりも「良いアニメだった」というのが率直な感想。

少年少女たちのひと夏の冒険を描いたジュブナイルもの。

『劇場版 銀河鉄道999』っぽいなと感じた。少年少女が宇宙に行って、そこでちょっとだけ成長して地球へ戻ってくる、という大筋は『999』と同じである。いろんな星に訪れて、独自の文化を面白がるというのも同じ。
脚本を担当した倉田英之は、インタビューで劇場版『銀河鉄道999』の大ファンだと公言している。本作は『銀河鉄道999』を意識していることがフィルムから分かる。実際オマージュっぽいものが散見された。

2時間15分という尺のなかに色んな要素がごちゃ混ぜして入っていた。これも劇場版『999』っぽいなと感じた。
終盤のあまねがうさぎと融合させられそうになる恐怖展開は、『999』で言うところの鉄郎がネジにさせられそうになる展開のオマージュだろう。
「宇宙ショー」のヒロイン・マリーは、松本零士の女性キャラを彷彿とさせる。金髪のロングヘヤーは切れ長の目や憂いを帯びた表情は、どことなくメーテルっぽい。

子どもの夢がつまった作品だな、と感じた。とくに宇宙での描写は、どれもワクワクさせられるものだった。

カラフルかつ雑多な宇宙イメージは『スペース☆ダンディ』に近い。宇宙人のイメージもけっこう似ている。

観終わったあとの感想も、やはり『銀河鉄道999』と似たものがあった。脚本に難はあるけど、それでも「良いアニメだったな」と感じさせてくれる。
また「ジュブナイルをつくる」ことに対して真摯なアニメだった。そのあたりは評価したい。

子どもが観ても楽しめると思うし、逆に大人が観ると「少年心がくすぐられる」ものがあるはず。