フリントは風に舞う。

アニメ語りメイン。出崎、富野好き。実写は目下勉強中。

タランティーノ監督『パルプ・フィクション』レビュー

 

パルプ・フィクション [Blu-ray]

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自分はこれまでアニメばかり観てきたのですが、最近になって、アニメを語る際に実写映画の知識も必要だなと感じています。

なので、現在、実写映画を勉強中です。

 

 

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

 

 

ハリウッドの脚本家であるシド・フィールドの本、『映画を書くためにあたながしなくてはしなくてはならないこと』に、本作の脚本術がこれまでの映画の常識を覆した、みたいなことが書かれていたので観てみました。

ちなみにこの本は、実写映画だけでなく、いろいろな映像作品の脚本にも応用が効くと思うので、アニメの脚本に興味を持たれている方にもオススメです。

 

 

シド・フィールドの本で解説されていたように、物語の構成が非常に斬新で驚きました。時間軸も飛び飛びで、はじめは主役が固定されていない群像劇なのかな、とも思いましたが、違いましたね。

ざっくり言いますと、3本の短編になっていました。

 

映画の構成は以下のようにまとめられます。

 

プロローグ

ヴィンセント・ヴェガとマーセルス・ウォレスの妻

黄金の時計

ボニーについて

エピローグ

 

このような物語構成をブックエンド・テクニック」と言うらしいです。(シド・フィールドの本より)

小説ではよく見かける構成ですが、映画では初めて観たので斬新でした。

 

あと、驚いたのが吹き替えの声優陣の豪華さです。

鈴置洋孝大塚明夫山寺宏一勝生真沙子玄田哲章田中敦子立木文彦など、錚々たる面子。

あの「少佐」が「クリトリス」とか卑猥な単語を連呼してたりします。

 

字幕か吹き替えで観るか?問題ですが、私は出演する声優によって変わります。根がアニオタということもあり、好きな声優が演じていたら吹き替え、そうでない場合は字幕というスタンスです。

映画好きの方からすると邪道かもしれませんが……。 

 

 

 

 

音楽の使い方もシャレてましたね。

OPやEDを除きそのほとんどが、ラジオやレコードなど、実際の劇中で流れている音楽をBGMとしていました。

私的に、大好きなKool&The Gangの「Jungle Boogie」が使われていて嬉しかったです。

 

ですが、何より本作で魅力的だったのは、「会話」ですかね。

ヴィンセントとジュールスのユーモアに富んだやり取りや、終盤のレストランでの緊張感あふれる攻防など、会話で魅せていました。

全体的に派手なアクションも少なかったし。

 

 

タランティーノ監督の作品は初めて観た(恥ずかしながら…)のですが、イメージ通り、アウトローで猥雑な作風でした。

タランティーノが好きなアニメ演出家はけっこういるので(梅津泰臣)など、ほかの作品もチェックしたいなと思います。