フリントは風に舞う。

アニメ語りメイン。出崎、富野好き。実写は目下勉強中。

アニメレビュー 07/04(金)

ついに7月期アニメがスタートした。

どのアニメもより好みせず、とりあえず1話は観る。レビューもする。


■「幕末Rock」第1話 

監督:川崎逸朗/シリーズ構成:広田光毅/キャラクターデザイン:石井明治/音楽:菊谷知樹/アニメーション制作:スタジオディーン

 

女性向け枠。「江戸時代」という設定は、女子受けを狙ってのものか。

主人公役は谷山紀章。女性人気も高いし、ロック歌手として実力もある。見事な配役。
江戸時代を舞台としながらも、アイドルに市民が熱中したり、ロックが伝来したりと、時代考証を無視しまくった設定が面白い。
物語世界では、幕府に指定された音楽しか演奏できない。そうした上流からの圧力に真っ向から立ち向かうという物語。まさしく「ロック」である。
主人公は、どこかれ構わず「俺の歌を聴け!」と吹いてまわる。『マクロス7』の熱気バサラを彷彿とさせるキャラクターだ。


■「Free!-Eternal Summer-」第1話 
監督:内海紘子/シリーズ構成:横谷昌宏/キャラクターデザイン:西屋太志/音楽:加藤達也/アニメーション制作:京都アニメーション

Free!』の2期。湯船で感慨にふける遙、手を差し伸ばす真琴、水着エプロン……1期1話を踏襲した開幕だった。
1期では、遥と凛の衝突がドラマの主軸となっていた。2期ではすでに邂逅を果たしている状態である。では、ドラマの主軸は何になるのか? おそらく「自分は何になるのか」という“将来”的なものになりそう。また新キャラクター山崎宗介もドラマ生成源として活躍するはずだ。
笹部コーチの回想シーン、ハーモニー処理が印象的だった。
EDが「ゴキゲン」な感じで良かった。コスプレはファンサービスか。
相変わらず水泳シーンの作画が凄い。クロールで手がカメラに迫ってくるとき、パース変化で迫力があったり。水のエフェクトも綺麗。
ただ、京アニのアニメの中では、『Free!』にそこまで思い入れは無い。
Free!』の遥と『ピンポン』のスマイルは、キャラクターとして非常に近いと思った。恵まれた才能を持っていたり、他人との衝突を嫌っていたり、何となく気だるそうな感じとか。


■「グラスリップ」第1話 
監督:西村純二/シリーズ構成:佐藤梨香・西村純二/音楽:松田彬人/アニメーション制作:P.A.WORKS


P.A.WORKS×西村純二監督――『true tears』から6年ぶりに両者がタッグを組んだ作品。今期の本命。
「ザ・ P.A.WORKS」という印象。地方都市が舞台、青春群像劇、ドラマで見せる構成――『true tears』から端を発するP.A.WORKS作品の伝統を受け継いでいる。
さりげない描写でキャラクターを膨らませるのは、西村純二監督の持ち味である。このあたり富野監督と通じるところがある。青春群像劇にはぴったり。
これまでの西村純二監督作と同様、ハーモニー処理が多用されていた。でも、本家・出崎のハーモニーと比べると、西村監督のはマイルドな感じ。
本編オープニングで各キャラクターの名前がテロップされていた。「これは青春群像劇ですよ」というサインか。
さりげない描写でキャラクターを膨らませていくあたり、富野監督作と同じような味わいがある。TVシリーズの醍醐味。
透子と駆が出会う(二度目)場面、「決定的な出逢い感」が強く出ていた。駆を見上げる透子という構図……「ダビデ」というセリフも印象的だった。
透子と駆の関係性――駆が意味深な発言をしていたけど、今後が気になるところ。
ラスト、駆の登場でざわつく仲間たち。異様なサスペンス感が出ていた(笑)。1話のツカミとしては良いのではないだろうか。


■「白銀の意思 アルジェヴォルン」第1話 
監督:大槻敦史/シリーズ構成:佐藤竜雄/キャラクターデザイン:岡勇一/メカニックデザイン:キクチヒラメ/音楽:中川幸太郎

地球上の国家間の争いを描くロボットアニメ。第1話は「ボーイ・ミーツ・ロボット」という「ロボットアニメ」の王道をおさえた幕開けであった。だが1話では、他のロボットアニメどのように差別化を図っているのかが、よく見えなかった。ややインパクトに欠ける。
命令を背いて勝手な行動に出る主人公に若干イラついた。軍人であるならば命令は守るべきである。民間人を見捨てられないあたり、過去に何か抱えているはず。そのあたりがドラマの主軸になりそう?
メカは3DCGで描かれている。『ヴァルヴレイヴ』みたい。


■「東京喰種トーキョーグール」第1話 
監督:森田修平/シリーズ構成:御笠ノ忠次/キャラクターデザイン:三輪和宏/音楽 :やまだ豊/アニメーション制作:studioぴえろ

原作は未見。
半グールになってしまった主人公の苦悩が描かれる。シリアスな物語。
「半怪人になってしまった主人公の苦悩」というのは、普遍的なモチーフでもある。その中で斬新な部分は「グールの中でもコミュニティがある」ということだろうか。
「グール」という存在は、物語世界ではよくある「災害」として描かれていた。当たり前のようにニュースで放映されていたり。
ショートアニメや個人制作アニメで活躍してきた森田修平が、初めて深夜帯アニメに挑戦した作品でもある。ホラー演出は森田監督らしさが出ていた。グールに襲われるシーンや、普通の食事が受けつけなくなってしまったシーンなど。
映像的にも暗め画面が印象的。舞台も夜が多い。
真夜中に映えるビル群、綺羅びやかな街の灯りなど、夜景が綺麗。背景は情報量多めで、凝っている。やはり「夜」が重要ということだろうか。
エンディングで制作がぴえろと知って驚いた。直前にやってた『それでも世界は美しい』とは正反対な印象。ダークな作風や情報量多めな映像とか。
1話で引きこまれた。楽しめそう。