フリントは風に舞う。

アニメ語りメイン。出崎、富野好き。実写は目下勉強中。

ヒッチコック監督作 『サイコ』を観た

 

サイコ [Blu-ray]

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『サイコ』
公開:1960年
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:ジョセフ・ステファノ
出演:アンソニー・パーキンス
  :ジャネット・リー

 

ヒッチコック監督の『サイコ』を観た。ヒッチコック作品を観るのは本作が初めてである。率直な感想は「お見事」だ。カメラワークや照明など、映像演出が良かった。印象的だったのは、「ここぞ」というときに使われるクロースアップで、全体的に観客を飽きさせないように上手く工夫されていた。
はじめはヒロインのマリオン・クレインの物語かなと思っていたが、彼女がいきなり退場して驚いた。本作は殺人者であるノーマン・ベイツを描いた映画だったと言える。彼は二重人格で異常者なんだけど、どこか魅力的のあるキャラクターだ。境遇も同情を誘うもので、感情移入させる部分も持っている。
サスペンスものとして純粋に面白かった。「このあとどうなるの!?」とグイグイ物語に引き込まれた。鳥の剥製をメタファーっぽく使って、ノーマン・ベイツひとりが異常な殺人者だとミスリードさせるのも上手かったと思う。
思わずゾクッとさせられるエンディングも良かった。あのあと、ノーマン・ベイツは、虫も殺せない哀れな老婆として釈放されるだろう。沼に沈んでいた車が引き上げられるシーンはまさにその暗示である。安易に「めでたし、めでたし」で終わらないところがニクい。