フリントは風に舞う。

アニメ語りメイン。出崎、富野好き。実写は目下勉強中。

『ノブナガ・ザ・フール』が面白いから、その魅力を伝えたい

 

 

撮りだめしていた『ノブナガ・ザ・フール』を一気観しました。非常に面白い。正直第1話での評価は低かったです。しかし回を重ねるごとにどんどん面白くなってきて、今では今期の中でも評価がかなり高い作品となりました! 良作が多いなかで若干埋もれがちな本作。その魅力を少しでも広めたく記事を書きました。

 

 本作のコンセプトをざっくりと言うなら「戦国時代」×「中世ヨーロッパ」×「ロボット」です。このように異なった要素を掛け合わせ、化学反応的面白さを生み出すのは、河森正治の得意技。マクロスの「ロボット」×「歌」×「恋愛」みたいなもんです。

 戦国時代ということもあって、登場するロボット・イクサヨロイは和風テイスト。「完全無欠なロボット」ではなくあくまでも、兵器のひとつとして描写されているのが特徴です。ボトムズのアーマード・トルーパーみたいな感じ。生身の人間でも工夫次第では勝てると。そうしたリアリティが世界観に説得力を持たせています。

 また「ロボットもの」の見せ場といえば戦闘シーンでしょう。3Dメカながら、遠近感をカットごとに調整したりと、セルアニメっぽさも残しています。また3Dのメリットは物量を出せること。量産機が大量に登場する合戦は圧巻です。

 ノブナガが駆るイクサヨロイ・「ザ・フール」は少し忍者っぽい。スパロボで『忍者戦士飛影』あたりとコラボすると面白そう。

 現実世界ではありえない、戦国時代の武将と中世ヨーロッパの騎士が戦う。そうした 「if」も見所のひとつです。それぞれの偉人のイメージがいい感じにデフォルメされており、キャラとしても立っています。

 戦国時代にロボットが活躍したり、戦国時代と中世ヨーロッパの偉人が絡んだりする、そうしたユニークかつスケールがデカイ世界観は魅力のひとつです。しかし、映像作品では欠かせないのは「ドラマ」としての面白さです。河森のケレン味あふれる演出がドラマを盛り上げることに貢献しています。最も印象深かったのはノブナガとヒミコの結婚式のシーン。ロボットで「ケーキ入刀」するという前代未聞な演出があって笑いました。他にも随所に河森節が見られます。

 「世界観を描くこと」と「ドラマを描くこと」。映像作品において、このふたつのバランスを取ることは非常に難しいです。たいていの作品は、どちらかに偏って失敗します。しかし! 本作はそのバランスが絶妙なのです。

 

むすび

何だかんだ河森色がはっきり出ている作品です。本作を観てない人、1話でドロップアウトした人は、とりあえず3話まで観てもらいたいなと。