フリントは風に舞う。

アニメ語りメイン。出崎、富野好き。実写は目下勉強中。

超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-、レビュー

 

超時空要塞マクロスII Lovers,Again- [DVD]

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私用で観る必要があったので、観ました。初見です。
マクロスシリーズのなかで「黒歴史」と位置づけられている作品ということで期待はしていませんでしたが、やっぱりつまらなかった!


主人公・ヒビキの「ジャーナリスト」という設定が足かせに


 本作の主人公・神崎ヒビキはTV局の芸能リポーターで、「戦闘パイロット」ではありません。フライト免許は持っているので、バルキリーを操縦する場面も2、3見られましたが、単なる操縦やカメラを回したりするだけで、やっぱり戦闘は一切行いません。
 基本的に「ドラマ」というものは、葛藤、対立を描くものです。本来、ロボットアニメは、そうした「葛藤」を、ロボットの戦闘で視覚的に分かりやすく表現することが得意です。富野作品によく見られる、ロボットに乗りながら、敵と禅問答する、というのがいい例ですね。
 しかし、本作では、主人公・ヒビキはリポーターなのでまったく戦闘を行わない。だから、ロボットアニメの一番おいしいところである、「視覚的な対立」をうまく描くことが出来ません。「ジャーナリスト」という設定は斬新で面白いと思いますが、それをドラマ的に活かし切れていないのが残念。5、6話はほとんど置いてけぼりだったし。ヒビキは、スタッフからすると使いづらいキャラだったのではないでしょうか。


その他雑感
悪かったところ
・上辺だけの「マクロス」要素。「三角関係」も取ってつけたような感じ
・テンポが悪い。もっとシナリオを圧縮したほうがいいのでは。
・主人公に魅力がない。声優も下手
・初代と比べると見劣りしてしまう「歌」

・何を見せたかったのかよくわからない

良かったところ
大張正己のOPはカッコいい! 今となっては「メカの人」と思われている大張だが、キャラも抜群にうまいことが分かった
美樹本晴彦のキャラデザがそのまま動いている感じで、作画はよかった


おわりに
正直、熱狂的なマクロスシリーズのファンだ! とかいう人以外は観なくてもいいような……。
ですが、本作があったからこそ『マクロスプラス』が生まれたのであって、のちの「マクロス」作品に与えた影響は計り知れません。本作がなかったら『マクロスF』も存在してなかったでしょう。