『アニーホール』 レビュー
『アニー・ホール』(Annie Hall)
公開:1977年
監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
ウッディ・アレンの映画は初めて見る。
メタ的な演出が特徴的だった。作劇の途中、ウディ・アレンが急にカメラ目線で視聴者に話しかけてきたり、現在のウディ・アレンが過去の――たとえば子ども時代のウディ・アレンと同じフレームで存在したりする。こうしたアバンギャルドな演出は、今ではそんなに珍しくないけど、公開当時は斬新だったんだと思う。
エンディングは情緒的で割りと好き。「恋愛とは不合理かつ非常理なもの。でも、人は何かを求めて恋愛をやめられない」というメッセージが、ウディ・アレンの口から語られていた。それまでのアニーホールとの思い出がフラッシュバックされるところも情緒的で心にしみる。
ウディ・アレンの魂の叫び、「俺が訴えたいのはこういうことだ!」という想いがフィルムに焼き付いていて、そこは好感度が高い。近年は、マーケティング先行で「こうすれば売れるだろ?」的な作品が多いから。
ただ、あんまり面白くなかったし、共感できる映画ではなかった。端的に言うと、この映画は、“恋愛至上主義”の思想でつくられている。恋愛にあまり執着がない私からすると、どうにもノレなかった。